November 6th, 2014

2014年11月6日 詩編を読もう:速やかに、遅れないで! (詩編70)

詩編を読もう, by admin1.

今週は詩編70編を読む。9日の聖日に与えられている福音書箇所は、マタイの25章1-13節で、十人のおとめが花婿が来るのを待つが花婿が思い通りの時には現れないたとえ話である。その福音書との関係を考えて読んでみるのも良いと思う。 今日の詩編は短いので、何度か読んでみて、そして、詩編を読んだ後、気になる言葉や節は何かを挙げる。次に、詩編の作者の気持ちになってどのようなことを詠っているか、よく考える。そして神はこの詩編箇所を通して何を語りかけているか思いを巡らせて行きたい。

詩編70編
1:【指揮者によって。ダビデの詩。記念。】
2:神よ、速やかにわたしを救い出し/主よ、わたしを助けてください。
3:わたしの命をねらう者が/恥を受け、嘲られ/わたしを災いに遭わせようと望む者が/侮られて退き
4:はやし立てる者が/恥を受けて逃げ去りますように。
5:あなたを尋ね求める人が/あなたによって喜び祝い、楽しみ/御救いを愛する人が/神をあがめよといつも歌いますように。
6:神よ、わたしは貧しく、身を屈めています。速やかにわたしを訪れてください。あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。主よ、遅れないでください。

気になった節や言葉はどこだろう? 私は、最初と最後の、「速やかに」「遅れないで」という言葉を用いて、神に向かって語りかけていること。
詩編作者の立場を思って、今週の詩編を読んでいきたい。それにしても、70編を一度読むと、「あれ、前にも読まなかったっけ?」と思われるかもしれない。私の記録では、「詩編を読もう」を毎週書き始めてから70編を読むのははじめてだ。しかし、確かに以前にも、この箇所は「詩編を読もう」の中で取り上げたと思う方がいたとしたら、それは記憶違いではない。70編2節から6節は、実は40編の14節から18節をほとんどコピーしたもの。詩編作者は、一度完結した詩編40編の中から14節から18節の部分だけを写して、あらたな詩編としたのではないかと思う。あくまで私の想像だが、神殿の役割として、日本でいう「かけこみ寺」と似たような役割もあったのではないかと思う。つまり、人間関係でにっちもさっちも行かなくなってしまい、命さえも狙われてしまうような状況に陥り、神殿に駆け込む人がいる。神殿に来て、神に祈るにしても、どう祈ってよいかもわからない。そのような場合、40編の13節までは読まなくても、神に祈る結論として、14節から18節だけを書き写して、これだけを、緊急のお祈り用に、どこか見えるところに貼られていたのではないだろうか? 1節の最後に、「記念」と書いてあるが、そのような状況を匂わせる。 さて、2節以降、今一度、振り返りたい。 神よ、私の主よ、すみやかに私を救い出し、助けてください(2節)。 私の命を狙う者、災いにあわせようする者、失敗を笑う者が、逆に恥を受け、あなどられ、笑われ者となり、私から逃げさるようにしてください(3-4節)。あなたを尋ね求め、あなたの救いを愛する人が、あなたにあって喜び祝い、楽しくあなたを賛美できますように(5節)。神よ、わたしは貧しく、小さくなっています。あなたはわたしの助け、逃れ場です。主よ、速やかにわたしのところにきてください。遅れないでください(6節)。  
この詩編を通して、主なる神は現代の私たちに何を教えてくださっているのだろうか? とても短い詩編だが、逆に、いろいろな神の教えが頭の中に浮かんできてしまう。三つに絞って、書いておきたい。一つ目は、緊急の場合、短くてもよいから、とにかく祈り求めることの大切さ。現代の世の中には、よくストーカとその被害者のことが報道されることがある。そこに、このような祈りが用意されていることを覚えたい。短くてもよい、神との関係を求める重要性がある。二つ目は、たとえ命をねらうような相手であっても、狙われた相手は、逆にその相手が殺されるようにと祈ってはならない。相手が神によって恥を知るように、そして、そこには、相手も神の愛を知るようにと祈るのが良いように思う。イエスは「敵を愛するように」と言われていたことを思い出す。三つ目は、いくら「速やかに、遅れないで。」と神に祈っても、自分の時計で、神様に期限を設けてはならないのだと思う。それは、9日に読む福音書の中で、十人のおとめに、なかなか花婿が現れない状況のたとえ話から、このようなことを書いている。 
現代にあって、たとえあなたのことを殺そうとしている具体的な人がいるわけでもないが、テクノロジーが日々激しく進歩しており、生活環境も変わり続けるゆえに、日々の生活をとてつもなく多忙にしてしまい、忙殺されそうな感覚を覚えている方々も多いのではないかと思う。そのような生活から一瞬でもよいから離れ、この詩編70編の短い祈りを口ずさみ、神との関係を求める時が与えられますように。そして、1週間に一度、日曜日には一時間の礼拝の時間を、神と出会って有意義に過ごされますように祈る。アーメン 安達均 

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