January 29th, 2015

2015年1月29日 詩編を読もう:助けてください (詩編35編)

詩編を読もう, by admin1.

日本のメディアでは連日、イスラム国と日本人の人質、日本政府とヨルダン政府の対応の様子が報道されている。そのような中で、聖書日課では2月2日から4日に与えられている詩編35編1-10節を読みたい。ひとりひとり、詩編を読み、気になる言葉、あるいはインパクトのあった言葉や節は何かを挙げる。次に、詩編の作者の気持ちになってどのようなことを詠っているか、よく考える。そして神はこの時期に、わたしたちに何を語ろうとしてくださっているのか思いを巡らせよう。決して、それには正解があるわけではなく、一人一人千差万別な思いが湧いてきて当然なのだと思う。思いを巡らせること自体が、神との対話にもなってきて、大切なことだと思う。 
 
詩編35編
1:【ダビデの詩。】主よ、わたしと争う者と争い/わたしと戦う者と戦ってください。
2:大盾と盾を取り/立ち上がってわたしを助けてください。
3:わたしに追い迫る者の前に/槍を構えて立ちふさがってください。どうか、わたしの魂に言ってください/「お前を救おう」と。
4:わたしの命を奪おうとする者は/恥に落とされ、嘲りを受けますように。わたしに災いを謀る者は/辱めを受けて退きますように。
5:風に飛ぶもみ殻となった彼らが/主の使いに追い払われますように。
6:道を暗闇に閉ざされ、足を滑らせる彼らに/主の使いが追い迫りますように。
7:彼らは無実なわたしを滅ぼそうと網を張り/わたしの魂を滅ぼそうと落とし穴を掘りました。
8:どうか、思わぬ時に破滅が臨み/彼らが自ら張った網に掛かり/破滅に落ちますように。
9:わたしの魂は主によって喜び躍り/御救いを喜び楽しみます。
10:わたしの骨はことごとく叫びます。「主よ、あなたに並ぶものはありません。貧しい人を強い者から/貧しく乏しい人を搾取する者から/助け出してくださいます。」

気になる言葉や、インパクトのあった言葉や節はどこだろうか? 私の場合は、単純明快に「助けてください。」という2節にある言葉。

詩編作者の気持ちになって、一節一節読んでいきたい。 最初に【ダビデの詩。】となっているので、ダビデがピンチに追い込まれたときに、詠った歌なのか、あるいは、後世の詩編作者がダビデのことを想像しながら、作詩したのかと思う。1-3節は、主に向かって「助けてください。」と懇願しているが、私を防御して欲しいという観点から作詩されている。私(ダビデ)に、争い戦うものに、主が争って戦ってください。大きな盾も普通の盾も持って、主なる神が、私を助けてくださるように。私に負い迫る者の前に、槍をもって立ちはだかってください。そして、私の魂に、「お前を救おう」と言ってください。 4-8節に入ってくると、「私を助けてください。」という懇願には終わらず、より具体的に、自分に敵対する者が破滅に陥るように懇願しているように思える。私の命を奪おうとする者は、恥に落とされ、嘲られてしまうように。私に災いを謀る者が辱められ、退くように(4節)。もみ殻同然ともなった彼等に、主の使いが現われて、追い払われるように(5節)。真っ暗となった中で、足を滑らせ、追い込まれるように(6節)。無実な私を滅ぼすため、彼等は網を張ったり、落とし穴を作ったりした(7節)が、どうか彼等が網にかかり落とし穴に落ち、破滅がおとずれるように(8節)。私の魂は、主に在って喜び踊っている(9節)。主なる神に向かって、私は叫ぶ、「あなたにならぶ人はいない。貧しい者は、強き者より助け出され、乏しいものも搾取する者から助けてくださる」(10節)。

この詩編35編を通して、主なる神が、現代の私たちに呼びかけていることはどのようなことか、思いをめぐらせたい。 イスラム国が日本人二人を人質とし、法外な要求がはじまった1月20日から、今日29日早朝まで日本に滞在していた。横浜、東京、熊本、長崎を転々と移動していたが、どこにいっても、毎日ニュースを見る度に、イスラム国と人質の状況が気になった。そして今は成田空港からマレーシアのクアラルンプールに向かう飛行機の中で、この「詩編を読もう」をタイプしている。ひどいことに、一人はもう殺害されてしまったと受け取るしかないような状況だ。湯川遥菜さんの家族のことを思うといたたまれない。残された後藤健二さんを人質として、日本政府、ヨルダン政府との交渉が続いているようだ。後藤さんのことを思い、この詩編35編にあるような祈りをとなえたくなっている自分に気がつく。後藤健二さんは、日本キリスト教団田園調布教会の会員であるとの情報は、知人のフェースブックを介して知っていたが、今日はじめて、朝のNHKのニュースで、後藤さんの属している教会が紹介され、昨晩、教会員の方々が教会に来て祈っていたとのこと。純粋に救い主がおられることを確信している。そして祈りが聞かれますように。この「詩編を読もう」がウェブに掲載されるころには、後藤さんの解放が決まりますように。
アーメン 安達均

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