March 28th, 2013

2013年3月28日詩編を読もう:陰府に渡さず(詩編16)安達均牧師

詩編を読もう, by admin1.


Holy Week、聖なる週、受難週の真っ最中に詩編を読む機会が与えられていることに感謝したい。 

本来の聖書日課によれば、この聖なる週に実に多くの聖書箇所を読む。それもそのはず、イエスが十字架に架かる週に起こる事が、新約聖書のかなりの部分に書かれているし、旧約聖書の多くの箇所にちりばめられている。 
復活ルーテル教会用に作成した聖書日課には、すべての箇所を書くことができず、限られた聖書箇所だけを載せている。
聖土曜に読むように勧められている箇所はことさら多い。 そのなかの詩編のひとつは16編が与えられている。 以下詩編16編を3回読み返そう。 

1:【ミクタム。ダビデの詩。】神よ、守ってください/あなたを避けどころとするわたしを。
2:主に申します。「あなたはわたしの主。あなたのほかにわたしの幸いはありません。」
3:この地の聖なる人々/わたしの愛する尊い人々に申します。
4:「ほかの神の後を追う者には苦しみが加わる。わたしは血を注ぐ彼らの祭りを行わず/彼らの神の名を唇に上らせません。」
5:主はわたしに与えられた分、わたしの杯。主はわたしの運命を支える方。
6:測り縄は麗しい地を示し/わたしは輝かしい嗣業を受けました。
7:わたしは主をたたえます。主はわたしの思いを励まし/わたしの心を夜ごと諭してくださいます。
8:わたしは絶えず主に相対しています。主は右にいまし/わたしは揺らぐことがありません。
9:わたしの心は喜び、魂は躍ります。からだは安心して憩います。
10:あなたはわたしの魂を陰府に渡すことなく/あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず
11:命の道を教えてくださいます。わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い/右の御手から永遠の喜びをいただきます。

最初の一節に「ミクタム」という言葉がある。 この言葉、人の名前ではない。 ヘブル語の言葉だが、その意味が明確にわからず、適切な日本語に訳せないため、日本語聖書にも、そのまま書かれている。
このミクタムという言葉は、16編のほかに、56編から60編の最初に書かれており、興味のある方は56編から60編にも目を通されると良い。 その明確な意味がわからないものの、どうも、短く格言的な真理をついた言葉と考えられる。 

主イエスは、金曜に十字架に架かり、墓に葬られた。 しかし、日曜には復活し、マリアをはじめ、まずは女性たちに復活後の姿を現された。 金曜と日曜の間の土曜、イエスはどこにおられたのだろう?

その質問の答えを思い巡らすのに、この詩編16編のとくに10-11節の言葉に集中したい。「陰府」とは、死者の居るところ、死者の住まい。 

イエスが話された言葉は、詩編から引用されている言葉も多い。 この10節の前半に詠われていた言葉を、神はイエスの魂にも肉体にも実行された。

そして、10節の後半から11節の言葉を、今一度、読みたい。「あなたの慈しみに生きる者に墓穴を見させず、命の道を教えてくださいます。わたしは御顔を仰いで満ち足り、喜び祝い/右の御手から永遠の喜びをいただきます。」 

今年のイースター、復活日は3月31日だが、復活節はペンテコステ(聖霊降臨日、今年は5月19日)まで7週間続く。 

復活節に、おひとりおひとりが「永遠の喜び」を実感できる日々となりますように。 とくに、病との闘い、あるいは、人生において大きな変化や局面にある方々が「命の道」を歩み、「喜び」の訪れとなりますように、復活の主、イエスキリストの御名により祈る。 
 

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