October 17th, 2013

2013年10月17日 詩編を読もう:神との関係 (詩編121) 牧師:安達均

詩編を読もう, by admin1.

今週読む詩編は121編。 とても短い詩編なので、3回読んで、気になった言葉は何だったか? 自分に何を語りかけられたか? またコミュニティに何を語りかけられているか? そのような質問に思いを巡らせてみよう。 

詩編 / 121編
1:【都に上る歌。】目を上げて、わたしは山々を仰ぐ。わたしの助けはどこから来るのか。
2:わたしの助けは来る/天地を造られた主のもとから。
3:どうか、主があなたを助けて/足がよろめかないようにし/まどろむことなく見守ってくださるように。
4:見よ、イスラエルを見守る方は/まどろむことなく、眠ることもない。
5:主はあなたを見守る方/あなたを覆う陰、あなたの右にいます方。
6:昼、太陽はあなたを撃つことがなく/夜、月もあなたを撃つことがない。
7:主がすべての災いを遠ざけて/あなたを見守り/あなたの魂を見守ってくださるように。
8:あなたの出で立つのも帰るのも/主が見守ってくださるように。今も、そしてとこしえに。

皆さんは、どんなことに思いを巡らせておられるだろうか。いつもの三つの質問に対して、私が思いを巡らせたことをシェアしたい。

気になる言葉は何だったか? 「目をあげて」
「目をあげて」というこの言葉、ピンと来たことは、10月10日に礼拝で二曲目に歌った讃美歌21の156番。 普通の讃美歌だと301番で「やまべに向かいてわれ目をあぐ」という歌詞ではじまる讃美歌。 いずれの歌詞もほとんど詩編121編の内容がずばり歌われている。 この詩編、一番最初に「都に上る歌」と書かれていて、それは、旅に出かける時の詩なのかと思う。 そして、旅に出かける前に、これから歩いていく方向には山があり、その山々を見上げて、少々不安を感じながらも旅の安全を確信するような詩だと感じる。ところが、10月10日の福音書は、復活ルーテル教会ではルカ10章にある、「良きサマリア人」のたとえ話で、旅人が山賊に襲われてしまい、持ち物を盗まれ、半殺しになってしまう話。この詩編を歌っておきながら、旅人が襲われてしまう話が取り上げられていたのは、滑稽に思える。イエス様がなんとなく微笑んでおられるようだ。  
自分に何を語りかけられたか? 「人生の旅路に」121編を繰り返し読むとき、何日もかかって旅をする様子が浮かんでくる。詩編が書かれたのは紀元前であり、車も電車も飛行機も、もちろんなかった時代。 現代であれば車で朝に出発すれば夕方には到着できるような距離でも、当時は何日もかかって旅をするという、人生の一大事だったのかと思う。 しかし、この詩編に詠われているのは、本当に物理的な、どこかからどこかへ旅をするという具体的な旅を詩にしているのだろうか? 詩編作者と話をできるわけではないので、なにも確実なことはいえないが、どうも詩編作者は、物理的な旅を詠っているのではなく、人生の旅路を詠っているように思える。少なくとも、私には、旅は比喩であり、人生の旅路を詠っている詩に思えてくる。 

コミュニティに何を語りかけているか?  「神との関係」
米国経済は、ここ数週間、米国債務問題で揺れていた。米国の債務は17兆ドルになっているが、法律があり米国の債務には上限が決められている。議会がなかなかその上限を引き上げる法案作成、可決をできなかったために、一部政府機関が閉ざされてしまう事態に陥っていた。日々の経済活動のなかで短期的には債務上限の引き上げをしない限り、米国債務不履行に陥ってしまうため、世界経済にも不安を与えていた。しかし、幸い議会では期限だった本日の早朝に法案を可決し、最悪の事態は回避され感謝したい。しかし、今回の回避はあくまで一時的なもので、1月には、また似たような事態に陥る可能性があるとされる。そして1月に議会がなんらかの法案を通したとしても、またすぐに問題が浮上してくるのではないだろうか。ある意味、アメリカ国民も、また米国経済が世界経済に大きな影響を及ぼしている現状からして、全世界の市民も、世界中で袋小路というか、行き止まりの旅路を歩んでいるような気もしている。しかし、この詩編121編に詠われていたことを、今一度、よくかみしめたい。 すべてを造られた主のもとから助けが来る。 全世界の市民が、すべてを造られた主、唯一の神、との関係をしっかり保つこと、主が与えてくださっている信仰に生きることで、袋小路が袋小路ではなくなる、行き止まりの旅路が、解放への旅路に転換する。
 
「神との関係をしっかり保つこと、主が与えてくださっている信仰に生きること。」と書いたが、これらがどういうことなのか、さらに聖書日課にある聖書箇所を読みつつ、10月20日の日曜の礼拝で与えられる御言葉を待ちたい。 
  

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