January 27th, 2014

2014年1月23 日 詩編を読もう:主の助けを懇願する (詩編40:7-18) 牧師:安達均

詩編を読もう, by admin1.

今週の詩編は先週と同じ40編を読むが、7節から18節を読む。最初は詩編作者の気持ちをできる限り想像して読んでみよう。 そして、次は自分の立場で、この詩編がどういう意味を持ってくるか考えてみよう。 また26日の日曜日に与えられている福音書箇所はマタイ4章からになるが、19日の日曜日に与えられていたヨハネ1章後半と似ており、ペトロ・アンデレ等が、イエスに従うものとなっていく様子が描かれている。 そのこととの関連の中で、この詩編を読むのも良いと思う。 

詩編40編
7:あなたはいけにえも、穀物の供え物も望まず/焼き尽くす供え物も/罪の代償の供え物も求めず/ただ、わたしの耳を開いてくださいました。
8:そこでわたしは申します。御覧ください、わたしは来ております。わたしのことは/巻物に記されております。
9:わたしの神よ、御旨を行うことをわたしは望み/あなたの教えを胸に刻み
10:大いなる集会で正しく良い知らせを伝え/決して唇を閉じません。主よ、あなたはそれをご存じです。
11:恵みの御業を心に秘めておくことなく/大いなる集会であなたの真実と救いを語り/慈しみとまことを隠さずに語りました。
12:主よ、あなたも憐れみの心を閉ざすことなく/慈しみとまことによって/いつもわたしをお守りください。
13:悪はわたしにからみつき、数えきれません。わたしは自分の罪に捕えられ/何も見えなくなりました。その数は髪の毛よりも多く/わたしは心挫けています。
14:主よ、走り寄ってわたしを救ってください。主よ、急いでわたしを助けてください。
15:わたしの命を奪おうとねらっている者が/恥を受け、嘲られ/わたしを災いに遭わせようと望む者が/侮られて退き
16:わたしに向かってはやし立てる者が/恥を受けて破滅しますように。
17:あなたを尋ね求める人が/あなたによって喜び祝い、楽しみ/御救いを愛する人が/主をあがめよといつも歌いますように。
18:主よ、わたしは貧しく身を屈めています。わたしのためにお計らいください。あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。わたしの神よ、速やかに来てください。

7節から12節は、先週も読んで、大好きな讃美歌21の402番の「世にある限り、主の恵みと慈しみを語り伝えん」が、この詩編40編と関係していることを書いた。 そして、今週13節以降を読んでいくと、ガラッと雰囲気が変わる。「恵み」「慈しみ」という言葉は出なくなってしまう。朗らかに讃美歌を歌っている場合ではない。1節には「ダビデの詩」となっていたので、ダビデの心境が、このような状況にあった時のことを詠っているのかとも思う。 また、詩編作者自身も、根深い問題の中に沈んでしまうような経験をしていたのかと想像する。 そして、自分の敵が恥を受け、主の側にある者が主をあがめ歌いますようにと詠う。 そして、詩編作者自身がいかに弱いものであるか、すぐに助けに来てくださいという懇願をもって、詩編40編は結ばれている。

詩編が詠われるようになって、2500年以上の時が流れていると思うが、現代においても、この世の人生、実は13節に描かれたような状況に陥っていることが多々あるのかと思う。 教会で多くの人々と会うなかで、”How are you?” と話しかけ、”Good.”という受け答えをしているなかでも、”How are you feeling?”とさらにもう一度聞きなおすならば、たいへんな問題をかかえておられる方もいる。 私自身も、会社勤めをしていて、電子医療機器の設計を担当していた時はいつも設計ミスがあったのではないか心配したし、臨床試験中に担当していた装置がたいへんな誤動作をしてしまった時と長男の出産がほぼ同じ時期に重なりどうしようもない気持ちに陥った。あるいは子会社のマネージメントを担当していた時も、売り上げ・経費の問題はいつも悩んでいたし、そして、教会の牧師としても、とくに教区の財務を担当している一人として、常に悩みながら日々過ぎていく。家族一人一人のことを思っても、常時心配事があり、自分の弱さを痛感することがしょっちゅうである。それゆえに、この詩編の最後、18節に詠われている言葉は心にしみる。この世の生活は、「主の助け」無しには考えられない。 

聖書に描かれた最初の弟子たちのことを考えても、実は、皆、弱くて悩みを抱えており、立派だったとか、優れていたという者を、主が弟子として選ばれていたわけではない。 むしろ、おっちょこちょいのような者が弟子として遣わされているような面は否めない。だから神に従う者、主なるイエスに従う者は、決して自分で自分を誇れるような存在ではなく、主の助けをいただき、そして、なんとかこの世を歩んでいる。そして、主を崇め、賛美する者となっている。 
アーメン

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