今週は詩編119編129-136節を読む。119編は176節もある最も長い詩編。22の段落からなるが、それぞれの段落がヘブライ語のアルファベット22文字の順番になっている。2月に三週間にわたってその三つの三段落を読んだが、今回はまた違う段落を読む。 いつものように気になる言葉は何か?詩編の作者の気持ちになってどのようなことを詠っているか、よく考えてみよう。そして神はこの詩編箇所を通して何を語りかけているか思いを巡らせよう。
詩編 119編
129:あなたの定めは驚くべきものです。わたしの魂はそれを守ります。
130:御言葉が開かれると光が射し出で/無知な者にも理解を与えます。
131:わたしは口を大きく開き、渇望しています。あなたの戒めを慕い求めます。
132:御顔をわたしに向け、憐れんでください/御名を愛する者への裁きに従って。
133:仰せのとおり/わたしの足どりを確かなものにしてください。どのような悪もわたしを支配しませんように。
134:虐げる者からわたしを解き放ってください。わたしはあなたの命令を守ります。
135:御顔の光をあなたの僕の上に輝かせてください。あなたの掟を教えてください。
136:わたしの目は川のように涙を流しています。人々があなたの律法を守らないからです。
気になる言葉や節はなんだろう? 私の場合は130節の「御言葉が開かれると光が射し出で」。
詩編作者の立場を思って、今週の詩編箇所を読んでいきたいが、今回で4回目となる詩編119編全体について述べておきたい。119編は、構成としては、「ヘブル語版いろはがるた」とも言うべきか、ヘブル語のアルファベット(総数22文字)の各文字ではじまる詩が集まって22段落により構成されている。その内容は、この世の人生でさまざまな困難に会う中で、人生の指針というか、歩むべき道について詠っている。また、詩編作者自身は、生まれ故郷とは違う土地に生きている状況の中でどう生きるかというようなことについて書いているような面がある。つまり、あくまで、この世の人生は、仮宿に生きているに過ぎない、だから旅路にたとえているような面がある。
以上を踏まえた上で、詩編作者の気持ちを想像しながら読んでいきたい。 あなたの定め(詩編の書かれた時代背景から、旧約の最初のモーセ五書に書かれた様々な規定の事を言っていると思う)にはドキッとするような驚きがあり、私の魂は、その定めがあるため、道を逸脱せずに歩むことができる(129節)。 モーセ五書を開くなら人生に迷う者にまるで光が差し込んで来るようで、知識がなかったような者にも、(あなたの思いを)理解するようになる(130節)。 今の私はのどが渇ききってしまい水を求めるように、あなたの戒めを慕い欲しています(131節)。 あなたの御顔を私の方に向けて、憐れんでください。あなたの御名を愛する者たちに、あなたが普段からしているように(132節)。あなたの約束に従って、私の歩みを確かなものにしてください。どんな悪事も私を支配してしまうことが無いように(133節)。私を虐げる者から、救い出してください。私はあなたの命令を守ります(134節)。あなたの御顔をあなたの僕である私に輝かせ、あなたの掟を教えてください(135節)。私の目からは涙が流れ落ちています、なぜなら、この世では、あなたの律法が守られていないからです(136節)。
この詩編箇所を通して、主なる神は現代の私たちに何を語っているのか、思いを巡らせてみたい。この詩編作者が言うように、この世の人生は一時的な旅路。日本に住んでいようがアメリカに住んでいようが、いずれは天に還(かえ)る。その旅の途中では、いろいろ指針や決まりごとがあるのだと思う。今週の詩編箇所には、定め、戒め、命令、掟、律法、等々の言葉が出てきたいたが、モーセ五書には600以上ものイスラエルの民が守るべき定めが記された。それはモーセに与えられた神の掟。 モーセが現れてから1000年以上経って、イエスキリストが「神の国は近づいた。」と話されて、この世に現れ、すべての掟は、「神を愛することと、隣人を愛する。」という二つの掟が最も重要であり、すべての律法が、この二つの掟に基づいていることを教えてくださった。21世紀を生きる私たちにとっても、「こうしなければ、あるいはこんなことはしてはいけない。」といろいろなことがあるが、しかし、すべては、「主なる神を愛し、隣人を愛する。」というこの二つに基づいているといえる。「えっ、二つだけの簡単なことなの。」と思われるかもしれないが、そう、実行するのが簡単かどうかは別問題として、たった二つだけの簡単な掟なのだと思う。 そして、イエスは主なる神がいかに、私たち人類を愛してくださっているか、十字架の死と復活を通して顕された。 旧約聖書、新約聖書にある神の御言葉は、私たちを本当に驚かせ、この世でいろいろ悩んでしまう人類に、大きな光を差し込んでくださっている。普段から聖書を開き、日曜には、礼拝で御言葉に触れ、会衆とともに主を賛美、応答するという人生の旅路に、本当に驚きがあり喜びがある。 アーメン
安達均