July 16th, 2015

2015年7月16日 詩編を読もう: 飼い主のいない羊? (詩編23編)

詩編を読もう, by admin1.

今週は7月16日から19日の聖書日課に与えられている詩編23編を読もう。何度もとりあげている詩編だが、19日の福音書箇所の一節、マルコ6:34に、「イエスは舟から上がり、大勢の群衆を見て、飼い主のいない羊のような有様を深く憐れみ、いろいろと教え始められた。」という部分がある。 そのようなことも思い浮かべつつ、読んでいきたいと思う。 いつものように気になる言葉、あるいはインパクトのあった言葉や節は何かを挙げる。次に、詩編作者の気持ちになってどのようなことを詠っているか、よく考える。そして神はこの詩編箇所を通して現代のわたしたちに何を語りかけているか思いを巡らせよう。

詩編 23編
1:【賛歌。ダビデの詩。】主は羊飼い、わたしには何も欠けることがない。
2:主はわたしを青草の原に休ませ/憩いの水のほとりに伴い
3:魂を生き返らせてくださる。主は御名にふさわしく/わたしを正しい道に導かれる。
4:死の陰の谷を行くときも/わたしは災いを恐れない。あなたがわたしと共にいてくださる。あなたの鞭、あなたの杖/それがわたしを力づける。
5:わたしを苦しめる者を前にしても/あなたはわたしに食卓を整えてくださる。わたしの頭に香油を注ぎ/わたしの杯を溢れさせてくださる。
6:命のある限り/恵みと慈しみはいつもわたしを追う。主の家にわたしは帰り/生涯、そこにとどまるであろう。

私の場合は、1節の最初、「主は羊飼い」という言葉に大きなインパクトを受けている。 

「詩編を読もう」では23編を過去にとりあげているし、葬儀やメモリアルサービスでも読まれることが多い。しかし、また新たに、詩編作者の気持ちになって、詩編23編を振り返る。「ダビデの詩」となっているが、ダビデ本人の詩が伝承されたものかもしれないし、数百年後に、当時のダビデのことを思って、作られた詩かもしれない。 いかに痛ましくたいへんな状況であっても、不安に陥りそうな羊に必要なものを必ず与えてくださる羊飼いのようなお方、主がおられる(1節)。疲労困憊にある私を安全な休息の場へと導いてくださる(2節)。その憩いの場において魂は生き返り、まさに主の御名にふさわしい正しい道へと導いてくださる(3節)。そして新たな道が、たとえ厳しい死の陰の谷を通るような面があったとしても、主が共に歩んでくださっており、羊飼いが手に持って歩む鞭や杖のような厳しさがあっても、それが私を力づけ、災いにあうことだって恐いことではない(4節)。 私を苦しめるものが目前に現れても、主が食べ物を与えてくださり、油を注いでくださり、ふんだんに飲み物を与えてくださる(5節)。永遠に主の恵みと慈しみが私の後をはげしく追っており、それはどこにいっても、その場が主の家でありつづける(6節)。 

今日、この詩編23編を通して、主なる神は、私たちに何を語っているのだろうか。 昨日と今日の報道記事を引用したい: 
[東京 15日 ロイター] - 衆院平和安全法制特別委員会は15日、集団的自衛権の行使を容認する安全保障の関連法案を与党の賛成多数で可決した。
[東京 16日 ロイター] - 安全保障関連法案が16日、衆議院本会議で可決され、9月下旬の国会会期末までに成立する公算が大きくなった。憲法上許されないとされてきた集団的自衛権の行使が可能になるほか、自衛隊による他国軍への後方支援が拡大する。国民の間で慎重論が根強いままの衆院通過で、政権支持率は一段の低下が予想される。
安全保障関連法案について阿部首相自らも、「理解は進んでいない」と認めている状況の中で、採決が行なわれてしまう状況はなんなのだろうか? 正式に法案が成立するには、参議院での話し合いがあるそうなので、平和に向けて、さらに祈りたいと思う。
19日の聖日に与えられている福音書では、イエスは群集を見て「飼い主がいない羊のような有様を深く憐れみ」とある。 この光景は、いまの多くの日本国民にも、また、世界中の民の多くにも当てはまるように思える。18日の聖書日課のなかで、旧約聖書のエレミヤ12:1-13が与えられているが、その10節に「多くの牧者がわたしのぶどう畑を滅ぼし、わたしの所有地を踏みにじった。」という言葉が与えられている。 紀元前7世紀後半のエレミアに与えられた言葉だが、現代にも通じるものがあるように思う。 真の牧者、イエスは、2000年前から教え始められており、聖霊が働き主イエスの体なる教会を形成する民が、現在20億人とも言われているが、詩編23編に描かれているように、羊飼いなる主イエスの体が、世界中の民に、主の愛をもって接し、導き、主の御心に沿った道を歩むことができますように。
アーメン
安達均
 

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