October 29th, 2015

2015年10 月29日:主の道を歩む (詩編119:1-8編)

詩編を読もう, by admin1.

今週は10 月29日から11月1日まで、聖書日課に与えられている詩編119編1-8節を読もう。 いつものようにこの詩編を読んだあと、気になる、あるいはインパクトのある言葉や節を挙げる。次に、詩編の作者の気持ちになってどのようなことを詠っているか、よく考える。そして神はこの詩編119編を通して現代の私たちに何を語りかけているか思いを巡らせたい。来る聖日は復活ルーテル教会では日本語宣教が始って27周年の記念礼拝となる。姉妹教会の大江教会・立野牧師に説教をお願いしているが、与えられている福音書はマルコ12章28-34節で、当時のユダヤ教の指導者とイエスの「最も大切な掟」に関する問答。その問答の中で、「神を愛し、隣人を愛する」というこの二つが最も大切な掟であることが明らかになるが、そのようなことも考えながら、この詩編が現代の私たちに語りかけてくることについて観想しよう。 

詩編 119編
1:いかに幸いなことでしょう/まったき道を踏み、主の律法に歩む人は。
2:いかに幸いなことでしょう/主の定めを守り/心を尽くしてそれを尋ね求める人は。
3:彼らは決して不正を行わず/主の道を歩みます。
4:あなたは仰せになりました/あなたの命令を固く守るように、と。
5:わたしの道が確かになることを願います/あなたの掟を守るために。
6:そうなれば、あなたのどの戒めに照らしても/恥じ入ることがないでしょう。
7:あなたの正しい裁きを学び/まっすぐな心であなたに感謝します。
8:あなたの掟を守ります。どうか、お見捨てにならないでください。

気になる言葉や、なにかインパクトのある言葉はどこだろうか? 「いかに幸いなことでしょう」と言葉で1-2節とも始っているが、私にとっては、3節の「主の道を歩みます」という言葉。 過去数週間にわたって、聖日の福音書は、マルコ9章以降を拝読してきているが、主イエスに従うこと、主イエスの道を歩むことはどういうことが、一つの大きなテーマとなっており、この詩編119編で詠われる「主の道を歩む」ことに興味を抱く。  

詩編作者の気持ちを想像しながら、1-8節の内容を吟味したい。8節までに詠われていることを簡潔に一文で書いてしまえば、「幸いとは主の律法を守って、主の道を歩むこと。」となるのかと思う。 詩編では、様々な言葉を使って、主の道を歩むことがどういうことかを表現している。 「まったき道を踏む(1節)」、「心を尽くして主の定めを尋ねる(2節)」、「決して不正を行なわない(3節)」、「あなたの命令を固く守る(4節)」、「あなたの掟を守る(5節)」、「あなたの裁きを学ぶ、まっすぐな心であなたに感謝する(7節)」という言葉が、きれいに並べられているように感じる。 そして8節は、「あなたの掟を守ります」という誓いの言葉と、「どうか、お見捨てにならないでください。」という嘆願で終わっている。 詩編作者は、この誓いの言葉と、赦しを請うような言葉を詠うことになったかを思うと、おそらく詩編作者に、主の道を歩みきれないような過去があったように思える。6節では「どの戒めに照らしても、恥じ入ることがないでしょう」と詠っているが、詩編作者が、主の道を歩みきれないがために、自分自身が恥ずかしくてしょうがないような状況があったような状況が見えてくる。 

与えられた詩編119編1-8節は、これを読む現代の私たちに何を語ってくれているのだろうか? 冒頭に書いたように、聖日に与えられている福音書箇所とのかねあいから考えたい。 与えられた福音書では、律法学者は「もっとも大切な掟は何か」ということが、議論になっており、いわば、頭で大切な掟は何か焦点にしようとしている。それに対して、この詩編作者が詠っていたことは、律法の内容が何なのか、とか、最も大切な掟は何かということは、一切触れていない。モーセ五書に書かれていた掟の数は600以上にも上っていても、ユダヤ教徒とし十戒とそれ以外の数々の律法の内容を把握するしていることが、当たり前だったのかもしれない。そして、詩編作者が強調して詠っているのは、律法を守って、行動・実行することの大切さを、教えてくれているように思う。 現代の私たちも、十戒は学ぶにしても、いちいち、600の律法の内容を細かく吟味することは稀。今日の詩編は、イエス様が語ってくださった、「主を愛し、隣人を愛する」というこの二つの掟を、頭で理解するということが最も大切というわけではなく、この二つの掟を守って、行動することが、最も大切であると、主は語られているように思う。「主を愛しなさい、隣人を愛しなさい」を実行に移そう。それが「幸せ」なのだ。 安達均

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