January 28th, 2016

2016年1月28日 詩編を読もう:助ける者もない人を救う (詩編72編)

詩編を読もう, by admin1.

今週は、聖書日課では、2月1日から3 日に与えられている詩編72編に耳を傾けたい。 少々長いが、各自で読み、また、自分で聞き、いつものように、気になる言葉、あるいはインパクトのあった言葉や節は何かを挙げる。次に、詩編の作者の気持ちになってどのようなことを詠っているか、考える。そして神は、今の私たちに何を語っているのか、思いを巡らせよう。

詩編72編
1: 【ソロモンの詩。】神よ、あなたによる裁きを、王に/あなたによる恵みの御業を、王の子に/お授けください。
2:王が正しくあなたの民の訴えを取り上げ/あなたの貧しい人々を裁きますように。
3:山々が民に平和をもたらし/丘が恵みをもたらしますように。
4:王が民を、この貧しい人々を治め/乏しい人の子らを救い/虐げる者を砕きますように。
5:王が太陽と共に永らえ/月のある限り、代々に永らえますように。
6:王が牧場に降る雨となり/地を潤す豊かな雨となりますように。
7:生涯、神に従う者として栄え/月の失われるときまでも/豊かな平和に恵まれますように。
8:王が海から海まで/大河から地の果てまで、支配しますように。
9:砂漠に住む者が彼の前に身を屈め/敵が塵をなめますように。
10:タルシシュや島々の王が献げ物を/シェバやセバの王が貢ぎ物を納めますように。
11:すべての王が彼の前にひれ伏し/すべての国が彼に仕えますように。
12:王が助けを求めて叫ぶ乏しい人を/助けるものもない貧しい人を救いますように。
13:弱い人、乏しい人を憐れみ/乏しい人の命を救い
14:不法に虐げる者から彼らの命を贖いますように。王の目に彼らの血が貴いものとされますように。
15:王が命を得ますように。彼にシェバの黄金がささげられますように。彼のために人々が常に祈り/絶え間なく彼を祝福しますように。
16:この地には、一面に麦が育ち/山々の頂にまで波打ち/その実りはレバノンのように豊かで/町には人が地の青草ほどにも茂りますように。
17:王の名がとこしえに続き/太陽のある限り、その名が栄えますように。国々の民は皆、彼によって祝福を受け/彼を幸いな人と呼びますように。
18:主なる神をたたえよ/イスラエルの神/ただひとり驚くべき御業を行う方を。
19:栄光に輝く御名をとこしえにたたえよ/栄光は全地を満たす。アーメン、アーメン。
20:エッサイの子ダビデの祈りの終り。

インパクトのあった言葉として、「助けるものもない貧しい人を救いますように」との言葉。

詩編作者の気持ちを想像しつつ、この詩編が何を詠っているのか、考えたい。 この詩編は、「王がーーーますように」という言葉が繰り返し出てきている。この詩編は、王の即位式などで詠われてきたのだろう。 はじめに、「ソロモンの詩」となっており、最後は「ダビデの祈りの終わり」となっているが、ここに詠われている「王」はダビデでもソロモンでもなく、いわば理想的な王の姿を詠っているようだ。 つきつめていくと、その王とはだれなのか。。。 ユダヤの歴史の中で、後に顕われる、救い主を詠った歌ともとれる。

さて、この詩編が、現代の私たちに何を語りかけているのだろうか? 詩編を読もうの記事でも、また説教でも、話したが、私は今年の1月5日に昼食をいっしょに楽しんだ友人が、翌日の6日の朝、それは奇しくもキリスト教会の顕現日だったが、自宅ではしごから落ちて亡くなるという境遇を味わっている。 おいしかった昼食とは比較しようもない、全然、おいしくない味わいで、思い出す度に、悲しく、空しい思いが襲ってきていた。 彼は、奥様が、当時は日本からアメリカに戻ってくる飛行機の中におり、息子さん二人はそれぞれ日本と中国に居住しており、自宅には、ひとりでいた。3匹の犬もいっしょにはいたが。。。 はしごから落ちたときには、だれも助ける人は、近くにいなかった。急救車を呼ぶ人もなく、頭からかなりの出血があった。検死の結果では、ほとんど即死に近い状況との話しも聞いた。しかし、今日の詩編を読んで、2500年前には、「助けるものもない貧しい人を救いますように。」という祈りが捧げられ、その祈りの通りに、2000年前から、この世のすべての人はだれも助けることができないような状況の中でも、そこに顕われて、救われる王がいるということをキリスト教徒は学んだのだという思い、神の愛に、今満たされてきている。 
安達均

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