2008年5月19日 世界宣教会議に参加して
4月21日に、東京市ヶ谷の福音ルーテル教会本部にて、世界宣教の会議がありました。ドイツから帰国された松本先生、李神学生、そしてロスアンジェルスからは伊藤牧師がそれぞれの体験談を交えての外地での宣教報告をされました。伊藤先生の依頼で、丁度20日の夜日本に着いた私もその会に参加させていただき、大変に良い経験をさせていただきました。
ドイツから帰国された松本牧師は、現在経済低迷の折に、教会経営が困難になって来ている事、そして4つの教会を3人の牧師でどうやっていくか考えている事などを報告の中で話されました。それを聞きながら、私達も今年の1月から伊藤先生がお一人でトーレンスの日本語部とハンティントンビーチの日本語部を兼牧される事になったこともあり、どこも同じような状態なのだろうか、と興味深く報告の内容を聞かせていただきました。同じようにドイツに留学された李明生神学生も、様々な体験談を交えて、ドイツでの宣教報告をされました。最後に伊藤牧師がトーランスとハンティントンビーチでの活動報告をパワーポイントで報告されました。伊藤先生は力強く、「日本から若い牧師を海外に送って、外の風に吹かれる必要がある。日本国内だけの宣教ではこれからの世界には通用しない、もっと外にも目を向けて、世界の宣教の動きを知る必要がある」と、強く発言されました。確かに、これからの外地での伝道は今までのように「日本語を話す」一世を対象に、ただ日本語の説教をすればいいだけではありません。2世や3世はその地で生まれてその地の言葉を不自由無く話し、却って日本語がおぼつかなくなって行くのが現状です。 しかし、そんな状況の中で、日本文化を大切にし、習慣、風習などをそれなりに受け継ぎながら生きている2世3世達に、「日本に触れる事ができる場所」を与えて上げる必要性を切に感じるのです。
私がアメリカに移民して来てから30年以上の月日が流れました。30年前と比べると、嘘のように東洋の文化がこの南カリフォルニアの地で取り入れられています。アジア系のマーケットも沢山あり、レストランも昔は、「アメリカナイズ」された日本食ばかりだったのが、今は「ここは日本か?」と思わせるような居酒屋も増えています。そんな環境の中で生活している私たちですが、やはりどこか根無し草のような気分になる事もあります。私達は日本で生活している日本人ともちょっと違い、アメリカに住んでいても100%アメリカ人ではないわけです。ですから、伊藤先生が発言されたように、この場所に来て、ここで生活してみなければ、この状況はわからないわけです。日本から送られてくる牧師、宣教師の方々が、真剣にそれを理解して下さり、神様から与えられたチャレンジに取り組んで下さる事を私達は祈ります。
市ヶ谷の福音ルーテル教会も、日本国内のさまざまな問題に面していると思いますから、国外に宣教活動の目を向けるのも容易ではないことでしょう。実際,残念な事にブラジル伝道は今年で幕を閉じます。私達も日本語部信徒達の加齢により、礼拝参加者の人数が少なくなったりする傾向を目の前にし、どうなるのかな、と心配する事もしばしありますが、神様の御心ならば、きっと神様は私達と共にいらして、いかなる困難も一緒に乗り越えて下さる事を信じ、信徒達が出来る限りの奉仕をさせていただいています。
神様が私達をこの場に置かれているように、日本から来られる牧師や宣教師の方々も同じように神様が彼らを日本から送り出し、宣教と言う使命とともにこの場に置かれるわけです。それを思うと、何週間か前に伊藤先生による「聖書を読む会」 で学んだ使徒言行録のパウロを思い出します。 何千年という月日が流れても、未だに私達は「寄留の民」なのです。ですからキリストの愛が私達を支え、力づけ、どんな時にも「国籍は天にある」と確信して生きて行きたいものです。 LCR役員 Liang 芙美 記